【質問】定年後再雇用の際、社会保険の報酬月額はどう計算するか?

定年を迎えた社員と再雇用の契約を交わし、今後の働き方について話し合う予定です。
健康保険や厚生年金の手続きを行う際、報酬月額の届け出が必要になると思いますが、何を基準に金額を算出すればよいのかが分かりません。具体的には、雇用契約書には以下のように記載されています。

会社は社員に対して、以下の給与を毎月支給する。

  1. 基本給(通勤交通費含む) 月額 293,000円

このような場合、社会保険の報酬月額は293,000円で届け出る形になるのでしょうか? 他に含めるべきものがある場合は教えてください。

【回答】再雇用時の報酬で保険料を算出、通勤費も含めて届け出を

再雇用でも週30時間以上なら通常通りの計算

定年後に再雇用された場合でも、週30時間以上の勤務がある場合は、他の従業員と同じように社会保険の手続きを行います
ご提示の契約書では、「基本給(通勤交通費含む)月額293,000円」と明記されているため、この293,000円が報酬月額の基準になります。


含めるべき手当とは?

社会保険の報酬月額には、基本給のほかに継続的に支払われる手当(営業手当・役職手当など)も含めて計算します。
該当する手当がある場合は、契約書にもその手当名と金額を記載することが望ましいです。


定年後は「同月得喪」で社会保険を切り替える

定年退職から再雇用へ移行する場合、社会保険は一度資格を喪失し、再雇用と同時に新たに加入(資格取得)する手続きが必要になります。
これを「同月得喪(どうげつとくそう)」といい、再雇用後すぐに新しい報酬額で保険料が決まる仕組みになっています。
これは、現役時代の高い報酬に基づいた保険料を再雇用後も引き継がないようにするための特例です。


雇用保険はそのまま継続

一方で、雇用保険(失業保険)の資格は引き続き保持されます。特に手続きの変更は必要ありません。
また、再雇用後の賃金が以前の75%未満に下がった場合、「高年齢雇用継続給付」という制度の対象になる可能性がありますが、今回のケースのように賃金が80%程度であれば対象外です。

社会保険の報酬月額については、契約書に記載された金額や実際の支給実績が重要です。再雇用者への説明責任も含めて、報酬の内訳と保険料の根拠を明確にしておくと安心です。


定年後の再雇用であっても、社会保険の扱いは通常の従業員と同様になります。
再雇用初月に保険の資格を喪失・再取得する「同月得喪」のルールを理解し、契約書の記載内容に基づいて適切な金額で手続きを行いましょう。