Q:カレンダーを基準とすると曜日まわりによって、1年間の週の数が変わりますが、法的には1年間は何週間とするのが正しいのでしょうか?

また、1年間と1か月の労働時間の上限は何時間になるのでしょうか?さらに、休日の最低日数は、法的には何日になるのでしょうか?計算方法を教えてください。

簡単な計算式で求めることができます

1年間は何週間あるのか

当然のことですが1年は365日(うるう年は366日)ありますので、単純に7日間で割ることで、1年間の週数を計算することができます。

365日÷7日(1週間)= 52.14週間

1年間は 52.14週間ということが分かります。

年間の労働日数・労働時間の上限は?

年間の労働日数の上限は?

法定の労働時間の上限は「1日8時間」「週40時間」となります。

先ほど計算した1年の週数は52.14週間ですので、1年間の所定労働時間を計算するには、52.14週に対して40時間を掛けると、年間の法定の労働時間の上限を求めることができます。

52.14週 × 40時間(週の労働時間の上限)
           = 2,085時間(年間の労働時間の上限

月の労働時間の上限は?

計算した2,085時間は年間の労働時間の上限です。
月数の12で割ることで、1か月の労働時間の上限を求めることができます。

2,085時間 ÷ 12か月= 173.75時間(月の労働時間の上限)

端数を繰り上げてしまうと、法定の上限を上回ってしまいますので、端数を切り捨て173時間になります。

年間休日の最低日数は?

1年365日から会社で決めた休日を引くと、年間の労働日を計算することができますが、そもそも、休日の最低日数は法的に何日になるのでしょうか?

まずは、年間の労働時間の上限を計算します。

365日÷7日(1週間)= 52.14週間

52.14週 × 40時間(週の労働時間の上限)
           = 2,085時間(年間の労働時間の上限

ここまでは、年間の労働日数・労働時間の上限の計算と同じです。
年間の労働時間の上限が出てきましたので、年間の労働時間を1日の法定の労働時間の上限である「8時間」で割ると、法定の労働日数の上限が計算できます。

2,085時間 ÷ 8時間(1日の法定労働時間)= 260.6労働日

ここでも端数を繰り上げてしまうと、法定の上限を上回ってしまいますので、切り捨てて260営業日となります。

次に1年の165日から260労働日を引くと、年間の最小の休日日数が計算できます。

365日 – 260労働日 = 105日(休日日数)

まとめ

法定の週の数、1年間の労働時間の法定の上限、1か月間の労働時間の法定の上限、1日8時間勤務の場合の年間の最低休日日数は以下のようになります

  • 1年間は「52.14週間」
  • 1年間の労働日数の上限は「2,085時間」
  • 1か月の労働時間の上限は「173.75時間」
  • 1年間の最低の休日日数は「105日」(1日8時間労働の場合)

さらに休日の日数を少なくできないのか?

ちなみに、労働基準法では週に1日休日(休日は、まる1日(24時間)与えなければなりません)を与えることが求められています。
なので、最低休日=週の数である「53日」が、本当に最低限の休日日数になります。

では、53日の休日とした場合は、月曜から土曜日までの1日の労働時間は何時間になるのでしょうか?

まずは労働日を計算しなければなりませんので、

365日 – 53日(休日の日数) = 312営業日

年間の労働時間の上限が2,085時間ですので、

2,085時間 ÷ 312営業日 = 6.68時間

となります。

ただし、1日8時間、週40時間が法定の労働時間の上限ですので、
6.68時間 × 6日 = 40.08時間

となり週の法定労働時間を超えてしまいますので、年間休日の日数数を53日とした場合、

月曜から土曜の1日の所定労働時間は「6.6時間」

になります。

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