【質問】時間単位年休の導入、パート社員にも適用が必要ですか?

社員については時間単位年次有給休暇(時間単位年休)を導入予定です。
一方で、同一労働同一賃金の観点から、非正規社員(パート)にも制度を適用しなければならないのではと懸念があります。

当社の工場では、約9割のパート社員がフルタイム勤務で正社員とほぼ同様の働き方をしており、制度上の差は少ないと認識しています。
こうした状況では、時間単位年休制度の導入はパートにも適用する必要があるのでしょうか?

【回答】業務への支障がある場合は労使協定で対象外と可能

制度導入時には業務への影響を考慮できる

時間単位年休は法律上の義務ではなく、導入には労使協定が必要です。
この労使協定の中で、業務への支障がある場合には対象者を限定することが可能とされています。


対象者を限定することは可能

厚生労働省のガイドラインでは、次のように明記されています。

「仮に一部を対象外とする場合は、事業の正常な運営との調整を図る観点から、労使協定でその範囲を定めることができる。」
(※取得目的などによる制限は不可)

そのため、たとえば次のような理由があれば、パート社員を時間単位年休の対象外とすることは可能です。

  • 工場ライン業務で人員の調整が困難
  • 業務が常時シフト制で欠員補充ができない
  • 一定の人数が同時に不在になることで操業に支障が出る

このように、取得目的ではなく、運用上の合理的な理由に基づいた除外であれば、労使協定により制度の対象者を絞ることが認められています。


「同一労働同一賃金」とのバランスの取り方

ご指摘のとおり、パート社員がフルタイムで勤務し、業務内容も正社員とほぼ同じであるなら、「均等待遇・均衡待遇」の観点からは制度を適用する方向が望ましいといえます。

ただし、時間単位年休の適用は義務ではなく任意であること、かつ前述のように業務上の支障が明確であれば例外扱いは可能です。
重要なのは、「差を設けるならその理由を明示し、労使合意を取っておくこと」です。

制度面では対象者の除外が認められているとはいえ、フルタイム勤務のパートを制度の対象外とする場合には、社員からの不満が出る可能性もあります
単に制度を適用するか否かだけでなく、「なぜ除外するのか」「代替措置はあるか」まで含めた説明と合意形成が、今後の労務トラブル回避のために非常に重要になります。



時間単位年休の導入は、就業形態の多様化に対応する柔軟な制度して注目されています。
一方で、すべての社員に画一的に適用すればよいとは限りません。実態や業務内容に応じて制度設計を見直し、労使双方にとって無理のない制度運用を心がけましょう。

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