【質問】昼食中や移動中の1on1は労働時間に該当するか

当社では1on1ミーティングを導入しています。
各事業所からは、昼食時や電車・車移動時など業務外の時間や場所での実施についての相談が寄せられています。

現状では「業務としての1on1は労働時間に該当する」との前提で対応していますが、以下のようなケースではどのような労務管理が必要か、他社の事例やアドバイスがあればご教示ください。

昼食時や終業後の宴席などで1on1を行う場合、労働時間となるか?
 → 本音を話しやすいという理由で、こうした時間帯を希望する声が多いです。
 → 業務時間と明示した場合と、従業員同士の判断で任意に実施した場合で違いがあるのか。

電車移動中の1on1は労働時間か?
 → 出張中や移動中の1on1を想定。商談後の帰宅中などは非労働時間と考えているが、ルール上「労働時間」と扱うべきか。

営業車の運転中に1on1を行うと安全配慮義務違反になるか?
 → 地方営業所で移動中に1対1の状況になることが多く、こうした時間帯の活用希望が強いですが、安全面のリスクも気になります。

【回答】実施場所・時間にかかわらず、1on1の「本質」と「形式」を整理すべき

●業務命令に基づく1on1は労働時間とみなされる

1on1は通常、部下の育成や目標管理を目的とした業務上の活動です。
したがって、会社が明確に指示して行う場合は、指揮命令下にあると判断され、労働時間に該当します。

ただし、「昼食中」「飲酒を伴う宴席」などは職務専念義務との関係で労働時間とすることは難しいため、以下のような整理が適切です。

【会社としての推奨方針(例)】

  • 業務時間中に実施することを原則とする
  • 飲食時や業務時間外に1on1的な話をするのは任意とし、労働時間とはみなさない
  • ただし、会社としてこうした場での実施を禁止はしない

本音を引き出すための柔軟な場づくりは重要ですが、制度としての1on1は「真剣勝負の対話の場」として、労働時間管理上も形式を整えることが大切です。

●移動中の1on1も業務命令下なら労働時間。ただし内容次第

新幹線などの移動中に上司と部下が1on1を行うケースでは、実施タイミングや内容によって判断が分かれます。

  • 勤務中(商談前など)の移動中に実施 → 労働時間に該当
  • 業務終了後(商談後の帰宅時など)に実施 → 本来は非労働時間だが、会社指示であれば労働時間と評価される余地あり

ただし、1on1は目標管理やキャリア設計を本格的に行う場であるため、人事システムを確認できない、周囲に機密が漏れる環境では本来の目的を果たしにくいという点も見逃せません。

「できるかどうか」ではなく、“本当に有効な1on1になるか”という観点で実施場所を選ぶべきです。

●車内・運転中の1on1は原則避けるべき

営業車などでの移動中、運転しながら1on1を行うことは安全配慮義務の観点からもリスクがあります。
現場では「雑談はしている」ということもありますが、真剣な対話をしながら安全運転を確保することは難しいのが実情です。

また、運転中に部下が資料を提示したり、話し合いのメモを取ることも現実的ではありません。

車内は「1on1的な話のきっかけ」には適していますが、制度的な1on1の場とは切り分けるべきです。運転中は1on1には不適と明記するのが望ましいです。

まとめ

1on1の運用にあたっては、以下のような実務的なポイントの整理が重要です:

  • 業務時間中の実施を原則とし、形式としての1on1は労働時間とする
  • 飲食・移動・運転中の実施は任意とし、労働時間外と整理。ただし安全・情報管理面にも配慮を
  • 1on1の本質(目標の棚卸し・キャリアの対話)を踏まえた「環境設定」も評価ポイント

普段の雑談や信頼関係づくりは非公式な時間で十分行えますが、制度としての1on1は、しっかりとした時間・場所・目的意識を持って行うことが信頼性と継続性の鍵です。


当社では、1on1ミーティング制度の設計、評価研修、面談スクリプト支援なども行っております。
制度導入後の運用改善をお考えの企業さまは、お気軽にご相談ください。

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