【質問】裁判員候補として午前中のみ裁判所に出向いた従業員に、公務休暇を1日単位で与える必要がある?
当社では、就業規程に「社員が労働時間中に公民としての権利を行使し又は公の職務を執行するために必要な時間を与える」との文言に加え、「1日単位で与える公務休暇」も明記しています。
今回、ある従業員が裁判員候補者として午前中に裁判所へ出向いたものの、選ばれずに午後は業務に従事しました。このケースで、1日単位の「公務休暇」ではなく、午前中分だけ「時間休」として与える対応は問題ないでしょうか?
【回答】法的には「必要な時間を与える」でよく、1日休暇である必要はない
半日だけの公務時間付与でも問題なし
労働基準法第7条では、「必要な時間を与える」ことが定められており、裁判員の選任手続きにかかった午前中分のみの対応でも法的には問題ありません。
午後に通常業務を命じたことも、指揮命令の範囲内であれば適法と考えられます。

就業規則に1日単位の公務休暇制度があったとしても、法律上は“必要な時間”の付与で足ります。そのため、必ずしも1日全てを休暇とする必要はありません。
裁判所に行く時間は“指揮命令下”ではないため無給でもよい
裁判員制度は公民としての義務であり、その時間は業務ではありません。したがって、会社が好意的に有給扱いにすることも可能ですが、原則は無給で問題ありません。
また、裁判所から日当や交通費が支給されることが多いため、その補填として会社が給与を支払う義務もありません。

社内的な制度設計として、裁判員制度に配慮した有給制度を整えることは可能ですが、法的には義務ではないことを明確にしておくことが重要です。
就業規則に「1日単位」の文言がある場合の注意点
就業規則に「1日単位の公務休暇」と明記している場合でも、労働基準法の趣旨に基づいて“必要な時間”の付与にとどめる運用が可能です。
ただし、文言と運用の齟齬があるとトラブルにつながるため、規定の見直し(例:「必要な時間、または1日単位で公務休暇を与える」)を検討するとよいでしょう。

規程の柔軟な表現が、今回のような半日出向ケースに対応しやすくなります。ルールと実務の整合性確保がカギです。
制度と運用のバランスが問われる場面
裁判員制度は、従業員の公民権を保障する重要な制度です。一方で、企業としても業務運営への影響を最小限に抑えるため、法令に基づいた適切な判断と制度設計が求められます。
特に就業規則と実務運用の整合性を保ちつつ、労働者の権利と企業活動の両立をはかるバランス感覚が重要となるでしょう。

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