アンケート・意識調査票の作り方(4)~設問文・回答用紙作りのポイント
アセスメント&サーベイ従業員の意識調査サーベイや、採用イベントの来場者アンケート、お客様満足度調査のアセスメントなど、総務人事の仕事をしていると、いろいろなアンケートを作る機会があります。
総務人事をしていると、意外とアンケートや意識調査の作り方について教わることはありません。しかし、アセスメントやアンケートを進める上では、いくつかのポイントや注意点があります。
ここまで実施に向けた企画の話をしてきましたが、アンケートやアセスメントの方向性が決まりましたら、具体的な設問の設計になります。回答しやすいアンケート用紙の作り方についてみていきましょう。
個々の設問文で聞くことは1つ
アンケートの大原則は「1つの設問で聞きたいことは、1つに絞る」です。
たとえば、
「我が社は、経営理念や就業規則に従って社員は行動をしている。(Yes or No)」
というよう設問で考えてみましょう。
回答者は「経営理念に従って行動していると思う。でも、就業規則自体は周知されていなから、就業規則に従って行動しているかどうか分からない。」
と考えている場合、YesかNoかで答えなければなりませんので、回答に困ってしまいます。
アンケートの設問を考えるのは大変で、設問作りだけでエネルギーを使い果たしてしまうかもしれません。しかし、それぞれの設問が、聞くことが一つに絞り込まれた質問となっているか、読み直したり、同僚にチェックしてもらうようにしましょう。
仮に設問の中に矛盾や重複が見つかった場合、
「会社が定めたルールにしたがって行動しているか聞きたいのか?」それとも、「就業規則や経営理念の浸透度について聞きたいのか?」アンケートを通じて何を聞きたいのか練り直しましょう。
表記にこだわる(表記を統一する)
設問文については、表記についても検討してみましょう。
- 私の上司は、私の意見を十分に聞いてくれている。
- 私の会社は、必要な情報が十分に共有されていない。
- 私の職場は、必ずしも十分に教育の機会を提供しないことはない。
このように、肯定文の設問と、否定文の設問が混在する場合、全体の平均値の集計をすることが難しくなります。
集計結果の分析のときに、得点が高いことが、良い事なのか悪いことなのかが混乱してしまいます。
設問文は肯定文で統一するのか、否定文で統一するのかを決めておくこともポイントになります。
派生しますが、日本語の場合、二重否定文にすることで、柔らかい語感になりますがアンケートでは禁物です。
回答者はパッと見て回答を判断します。3つ目の例文のように、Yes か No か瞬時に判断できない二重否定形の設問文は作らないようにしましょう。
ちなみに「である調」と「ですます調」も統一していくことも大切です。
選択肢は「もれなく・ダブりなく」
設問設計と同様に、選択肢についてもMECE(もれなく・ダブりなく)が大切です。たとえば、回答者属性の年齢を回答させるときに、
- 20歳以上~30歳以下
- 30歳以上~40歳以下
- 40歳以上~50歳以下
- 50歳以上~60歳以下
という回答の場合で考えてみましょう。会社では18歳の高卒の新人もいますし、定年後再雇用の60歳を超える人も働いています。このアンケートだと
- 高卒で採用された、19歳の回答者は回答できない。
- 20歳、30歳、40歳、50歳の回答者は、選択肢が2つ存在している。
- 60歳を超える回答者は回答できない。
という問題が出てきます。
「以上なのか、以下なのか」「超えるのか、未満なのか」などが代表選手ですが、回答の選択肢についても、もれなく・ダブりなく(MECE)を意識することが大切です。
回答用紙の工夫
多くの人に回答をしてもらうためには、回答用紙についても工夫をすることも忘れてはなりません。。
例えば、
・調査の目的や連絡先を明記する
・必要となる所要時間の目安、
・タイトルと設問文で、文字の大きさやフォントを変えておく
というような工夫があります。
また、回答者の目線は左上から右下に流れていくので、目線の流れに沿ってレイアウトを配置しましょう。
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