職場のハラスメント問題について
厚生労働省の公表情報 労働相談&労働トラブル大手企業の新入社員の男性が令和元年8月、上司から「死ね」などと言われたと記した遺書を残して
自殺した問題について、尼崎労働基準監督署(兵庫県尼崎市)が労災認定しました。
大企業では令和2年6月からパワハラ防止法が施行され
職場におけるハラスメント防止対策が事業主の義務となりましたが、
これまでは当たり前の指導だと思っていた厳しい叱責が『パワハラ事件』と報道されることで
自分も被害者であったことに気が付いた若手社員や、
何もかもパワハラ扱いされては指導もできないと困惑する管理職もまだまだ多いと言われています。
まず、「パワーハラスメント」とは何なのでしょうか。
下記①~③までの要素を全て満たすものをいいます。
職場における「パワーハラスメント」とは、職場において行われる
① 優越的な関係を背景とした言動であって、
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③ 労働者の就業環境が害されるものであり、
※客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、該当しません。
そして「パワーハラスメント」の種類について。
大きく分けると以下の6つに分けられます。
①身体的な攻撃:暴行や傷害など
②精神的な攻撃:脅迫や名誉毀損、侮辱、ひどい暴言など
③人間関係からの切り離し:隔離や仲間はずし、無視など
④過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
⑤過小な要求:道理に反して、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
⑥個の侵害:私的なことに過度に立ち入ること
中小企業がハラスメント防止法の適用対象となるのは令和4年からですが
早めに準備をすると共に、ハラスメントのない快適な職場環境の整備をするためにも、
まずは以下のことから取り組んでみてはいかがでしょうか。
・事業主の方針等の明確化とその周知・啓発
・相談窓口等、相談や苦情に応じ適切に対応するために必要な体制の整備
職場のハラスメントに関する法律や対策等についての詳細は下記サイトをご参照ください。
厚生労働省「あかるい職場応援団」
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/