コラム・レポート

2021-01-05

アンケート・意識調査票の作り方(1)~企画時の検討ポイント

アセスメント&サーベイ

従業員の意識調査サーベイや、採用イベントの来場者アンケート、お客様満足度調査のアセスメントなど、総務人事の仕事をしていると、いろいろなアンケートを作る機会があります。
総務人事をしていると、意外とアンケートや意識調査の作り方について教わることはありません。しかし、アセスメントやアンケートを進める上では、いくつかのポイントや注意点があります。今回はアンケートの作り方について簡単にまとめてみました。

Contents

何よりも目的が大切

「社内の意識調査をしたい」「顧客満足度調査をしたい」など、様々なテーマのアンケートのご相談をいただきます。
しかし、アンケートをするということは、何かの実態を数値化するための手段であり、アンケート自体が目的ということはありません。

・社内の意識を調査して何をしたいのか?」
・お客様の満足度を収集して、会社として何をしたいのか?」

など、アセスメントやアンケートの目的を明確にすることが、調査を成功させるための最初の一歩であり、調査を成功させるためには欠かせないポイントになります。
言われると当たり前のことですが、忘れがちな切り口なので、アンケートを作る前に関係者と必ず認識のすりあわせをしておきましょう。

仮説作りも忘れてはならない

アンケートを開始するにあたって、漠然と実施方法を決めていては目的にフィットしたアンケートは実施できません。

例えば、従業員満足度調査であれば
・弊社の従業員は、評価の決まりかたに不満を感じているのではないか?
・メンバーの異動が多い部署で満足度が低いのではないか?
という具合に、

顧客満足度調査であれば
・顧客は質問に対するレスポンスの速さを求めているのではないか?
・弊社の○○の点について不満を持っているのではないか?
など、知りたいこと、現状はどうなっているのか?という仮説を持つようにしましょう。

質問内容が総花的で、漠然としており、質問数も多いアンケートは、回答する立場に立つと負担が多いものです。仮説を作ることで、設問の絞り込みができるようになりますし、質問の内容も回答者にとって分かりやすいものになりますので、仮説作りは大切にしましょう。

どうやって質問を作るのか?

世の中には、アンケートのパッケージ製品がたくさん販売されていますし、オーダーメイドのアンケートを製作・実施してくれる会社もあります。外部のアンケートを購入せずに、社内で質問を考えてアンケートを作ることも可能です。それぞれの特長やメリット・デメリットを考えて、質問を作っていきましょう。

案1:パッケージ製品を使用する

まずは、パッケージになっているアンケート・サーベイを購入する方法があります。インターネットで「従業員満足度調査」「メンタルヘルスサーベイ」といった用語で検索をすると、いろいろな会社が提供しているアンケート・サーベイ商品が見つかるでしょう。

パッケージ製品の特長は、設問は練られていることが多く、回答用紙や集計表の完成度は高いものが期待できます。また、アンケートによっては、過去に実施された他社の比較データが利用できる点も魅力的です。
集計代行もしてくれる会社であれば、大量の回答数をさばいてもらえたり、集計結果の報告書もきれいにデザインされているものも多く、自社内製ではできない品質を出してもらえる点は魅力的です。

パッケージ製品の弱点は、パッケージゆえの宿命ですが、どの会社でも当てはまるような内容とせざるを得ないため、設問自体は広く浅くとなりがちです。
また、集計作業も代行してくれる会社の場合、設問数が多くなると作業量も多くなりますので、おのずと設問数にも限りがあります。
もちろん、パッケージ製品ですので、自社や自社の業界特有の設問はできませんので、問題点が浮き彫りになりにくい点がデメリットとして挙げられます。

案2:外注しオーダーメイドで制作してもらう

コンサルティング会社や調査会社等に依頼し、オーダーメイドでアンケートを実施する方法があります。アンケートの実施経験の豊富なコンサルタントが担当しますので、自社内製やパッケージ製品と異なった、自社独自のアンケートを企画・実施できる点は大きな魅力になります。

しかし、オーダーメイドで作成するため、アンケートの設計のコストやコンサルティング報酬は、パッケージ製品を使用するより高額にならざるを得ません。
オーダーメイドで実施する場合は、
・複数年で実施する
・回答者数が大人数である
という具合に、ある程度の規模を確保しなければ、費用対効果が出てこない点がデメリットになります。

案3:社内で実施する

社内でアンケートを実施する場合、外注と異なりコストが小さく、簡便に実施できることが大きなメリットです。
また、現場の状況をよく理解している自社の社員が主導して実施するため、きめ細かいフォローも出来る点も魅力であると言えます。

しかし、自社の社員が実施する場合は、アンケート実施のノウハウが無いため、実施はしたが、設問の作りが甘く問題点が見えて来なかった、凝ったアンケートの回答用紙と、集計データベースを構築したが、担当者が異動となってしまうと、引き継いだ担当者が製作したツールを使いこなせず、翌年以降に再現ができなかった。などのアンケートの品質や安定性に難点があります。

それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、どのような方法で実施するのかを検討していくことが大切です。

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