コラム・レポート

2015-08-17

残業すれば無条件で割増賃金を払うのか?

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「残業」いわゆる時間外労働をした場合には、残業代(割増賃金)を支払わなければなら­ないことは、誰でも知っていることです。

しかし、そもそも、時間外とはどの時点のことを指し、どのような基準で割増賃金が支給­されるのでしょうか?

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「1日8時間」超過した労働時間への対応について
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今回は「割増賃金になる労働時間はどこからか?」という事についてご説明致します。

労働基準法では、
「1日8時間」「週40時間」を超過した場合に割増賃金を支払う必要がある。
と決められています。

しかし、会社によっては1日の労働時間が7時間半という場合があります。
例えば、始業時刻が午前9時。7時間半の勤務をし17時半が終業時刻になるケースです。

17時半以降に、1時間の残業をしたケースを考えてみましょう。
割増賃金は「1日8時間」を超過した時間から計算を行います。
このようなケースで時間単価が1,000円の人の場合、17時半から18時までの「30分間」の時給は何円になるのでしょうか?

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「所定労働時間」と「法定労働時間」について
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「労働時間」というものには、
「所定労働時間」と
「法定労働時間」の2種類があります。

「所定労働時間」とは、会社が決めた労働時間のことで、先ほどの例で言うと「7時間半」という事になります。
「法定労働時間」とは、労働基準法で定められている「1日8時間」のことです。

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割増賃金を支払う必要がある条件について
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労働基準法において割増賃金を支払う必要があるのは「法定労働時間を超過した」ところからです。

先ほどのケースでは労働時間が、「7時間半から8時間」までつまり「17時半から18時」までは、
「所定労働時間」を超過しているが
「法定労働時間」は超過していない。
ということになります。

時給1,000円の賃金の場合、17時半から18時までの30分間は時給1,000円の半分、つまり、500円を支払う必要があります。

18時から18時半までの法定労働時間を超過している30分間に関しては、
法定労働時間を超えていますので、500円×1.25=625円の賃金を支払う必要があります。

法定労働時間と所定労働時間を混同して考えていると「時間外労働(残業)」の全てに割増し賃金を払う必要がある。と考えてしまいます。

先ほどのケースのように、17時半から18時の30分間は、本来、法定労働時間内におさまっているため割増賃金を支払う必要はありません。

気を付けなければならないことは、17時半から18時までは、法定労働時間内ということですが、所定労働時間外のため500円の賃金を支払わなければなりません。この時間の賃金を支払わずにいるとサービス残業になってしまいます。

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自社の労働時間、給与計算方法を確認しましょう
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御社の1日の労働時間が8時間であれば問題にはなりません。

しかし、所定労働時間が1日8時間ではない場合だと所定労働時間と法定労働時間の狭間の時間の給与計算の方法が間違っている、曖昧になっているケースがでてくることがあります。

ぜひ、1度は自社の割増賃金の計算方法がどのようになっているのかをご確認することをお勧めします。

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