労働生産性監査では、どのような監査・分析をするのか
人事制度&賃金制度労務監査のうち、人事労務に関する各種指標を分析する監査を、労働生産性監査(人材ポートフォリオ調査)と呼んでいます。
労働力人口が減少傾向にある日本では、労働力の有効活用の要否がますます問われる時代になりつつあります。
労働生審査では、労働分配率などをはじめとした指標を用いて、喫緊の労働生産性を審査することや、人員の平均滞留年数や各拠点の人員構成をもとに、将来的に、どの拠点でどのような要員が余剰/不足するのか、人員構成の過不足の発生を予測分析していくこともしていきます。
人件費に関する分析
事業活動における人件費の割合は決して小さくありません。経営指標に対して適正な人件費となっているか?、人員構成(年齢構成や正規雇用/非正規雇用の割合など)から見て人件費は適正なのか?、会社の文化や方針に応じた賞与等の業績連動の報酬が設定されているか?等を分析していきます。
※人事制度(賃金制度・報酬制度)を見直す際の基礎分析にもなります。
主な分析項目:
「付加価値と労働分配率」「適正人件費分析」「人件費連動性分析」「賞与連動性分析」などという分析を行っていきます。
人員数・人員構成に関する分析
いまは生産的に人員が配置されていても、例えば、「10年後に一斉に定年となってしまい将来の中心メンバーがいない」などといったが起こり得るのであれば、事業の永続性に課題が存在しているといえます。
人員構成に関する分析では、役割や年齢のバランスについて分析を行っていきます。
主な分析項目:
「生産性指標による適正人員数分析」「業務分析による適正人員数分析」「等級別人員構成分析」「年齢別人員構成分析」を行っていきます。
賃金水準に関する分析
賃金水準は採用訴求力や離職のリスクに影響します。また、入退社のリスク以外にも、従業員にとって「昇給」は自らの人生設計に大きく影響する重大な関心ごととなっています。
賃金水準に関する分析では、社員のレベルに応じた適正な金額の賃金が支払われているか?昇給カーブは妥当か?、世間相場とのバランスなどを分析していきます。
※人事制度(賃金制度・報酬制度)を見直す際の基礎分析にもなります。
主な分析項目:
「賃金ベンチマーク分析」「賃金範囲分析」「人材流動性観点からの分析」
人事制度に関する分析
社内の廃パフォーマーとローパフォーマーの昇進速度の違いや、評価結果の分布状況など、人事制度の思想に従った運用が行われているか人事制度に関する分析をしていきます。
主な分析項目:
「適正配分に関する分析」「滞留年数(キャリアスピード)分析」「評価に関する分析」
将来予測分析
現在の従業員が継続して勤務していった場合、会社の総額人件費がどのように変化するのか?など、将来の人件費や要員に関する変化を分析します。
主な分析項目:
「将来予測分析(現行基準・計画基準)」
その他の分析
その他の分析項目として、職場全体でハイパフォーマー/ローパフォーマーがどのように偏って分布されているのか?または、各レベル(等級)ごとに取得を奨励しているスキルは、その該当する等級の従業員全体では、どの程度スキルを獲得できているのか?等を分析します。
主な分析項目:
「パフォーマー, ローパフォーマー分析」「スキルに関する分析」「生産性に関する分析」