忘れがちな労使協定
人事制度&賃金制度 動画(YouTube)&事務所通信36協定や専門型裁量労働制を運用するには「労使協定」の締結が必要なのは有名です。
これらの労使協定は、定期的に更新し、労働基準監督署に届け出をしなければなりませんので、締結するのを忘れたということはあまりありません。
しかし、「労使協定」の中には、労働基準監督署への提出が不要で、しかも有効期限の設定が不要というものもあります。
▼多数の会社がやっているであろう、制度に関する労使協定としては、
- 賃金の口座振込に関する労使協定書(根拠条文:労基則7条の2)
【給料を銀行振込としている会社は要注意】
⇒賃金支払いの5原則に「直接払いの原則」があり、原則は現金で払わなければなりません。直接払いの原則の例外として銀行振込があり、労使協定が必要になります。
なお、銀行振込とする場合は、併せて個人とも振込の同意書を得る必要があります。 - 賃金控除に関する労使協定書(根拠条文:労基法24条)
【給料から親睦会費などを控除(天引き)している会社は要注意】
⇒賃金支払いの5原則に「全額払いの原則」という原則があります。「全額払いの原則」があるため、労使協定がないと給料からの天引きをすることは出来ません。 - 一斉休憩の原則の適用除外協定(根拠条文:労基法34条第2項)
【昼休みの電話当番をしている会社は要注意】
⇒休憩は一斉に付与しなければならないという原則があり、休憩時間をずらして休憩を取るというのは、実は労使協定がなければNGになります。
多くの会社に該当するであろう、労使協定をご紹介しましたが、他にも、ウッカリ忘れがありそうな労使協定もあります。
- 代替休暇の労使協定(根拠条文:労基法37条第3項など)
- フレックスタイム制に関する労使協定(根拠条文:労基法32条)
- 時間単位年休の労使協定(根拠条文:労基法34条第4項)
- 計画年休協定(根拠条文:労基法39条第6項)
- 年休日の賃金を標準報酬日額とする協定(根拠条文:労基法39条第7項)
当たり前のように、運用していたが、会社設立以来一回も労使協定を締結していなかった!ということがないよう、きちんと労使協定があるか確認してみてはいかがでしょうか?
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