コラム・レポート

2016-06-14

算定基礎届の作成のおさらい

社会保険&労働保険の手続き スタッフコラム

労働保険料の年度更新手続きが6月1日から始まり、既に手続きを終えられている事業主さまもいらっしゃるかもしれません。労働保険料の年度更新に続き、大切な手続きが控えています。

それは、「算定基礎届」の提出です。

算定基礎届とは、健康保険及び厚生年金保険の被保険者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないよう、事業主は7月1日現在で使用している全ての被保険者に4~6月に支払った賃金を厚生労働大臣に届け出る必要があります。

この時に提出するのが「算定基礎届」であり、厚生労働大臣はこの届出内容に基づき、毎年1回標準報酬月額を決定します。これを「定時決定」といいます。

概要は以下の通りです。

対象者

7月1日現在で、被保険者である人全員。ただし、以下の方は対象外になります。

  • 6月1日以降に資格取得した方
  • 6月30日以前に退職した方
  • 7月改定の月額変更届を提出する方

算定方法

支払基礎日数が月で17日以上ある、4月・5月・6月の報酬が対象。

提出期限

毎年7月1日まで

提出先

事務センター(郵送のみ)、管轄の年金事務所

提出書類

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表附表(雇用に関する調査票)

提出期間が短いため、あらかじめ賃金台帳などを準備し、記入・提出に備えましょう。

社会保険料が決まる4つのタイミング

なお、算定基礎届の提出(定時決定)以外にも社会保険料が決定されます。

1:資格取得時決定

その名の通り、入社をし、資格を取得する際に決定している給与額などに応じて届出を行います。

2:定時決定(算定基礎届)

こちらは、毎年決まった時期に行われており、7月1日現在の被保険者及び 70 歳以上被用者のすべてについて、その年の4月、5月、6月に支給した報酬について届出をしなければなりません。

3:随時改定(月額変更届)

毎年1回の定時決定により決定された各自の標準報酬月額は、原則として1年間使用されますが、昇給や降給などにより、報酬の額に大幅な変動があった時は、実際に受ける報酬と標準報酬月額との間に隔たりがないよう、次回の定時決定を待たずに報酬月額の変更を行います。

消費税率の変更でも随時改定になる

2019年に消費税率が改定された際に、交通機関での値上げが実施されました。交通費は固定的賃金の変動となり随時改定の対象となりました。公共交通機関の運賃の変更が起こると「全従業員が月額変更」となることもあります。

4:産前産後休業・育児休業等終了時改定

被保険者が、産前産後休業及び育児休業等機関を終了し職場に復帰した際に、時間短縮や所定外労働をしないことで、報酬が休業前と比べて変動することがあります。このような場合に、標準報酬月額の改定を申し出ることができます。

2018年3月より届出様式が変更となっている

2018年3月に日本年金機構の書式変更に伴い定基礎届の届出用紙も変更になりました。

大きな変更点としましては、70歳以上被用者の算定基礎届の様式が統合されています。

これまでは70歳以上被用者がいる事業者の場合は、通常の算定基礎届のほかに70歳以上被用者算定基礎届を別途提出していましたが、様式統合により、別途70歳以上被用者算定基礎届を提出する必要はなくなっています。

ターンアラウンドで送付される算定基礎届には被保険者および70歳以上被用者があらかじめ記載されています。また被保険者および70歳以上被用者があらかじめ記載されていない場合は、同じ様式に70歳以上被用者も含めて記載し、備考欄の70歳以上被用者算定に丸をつけて提出します。

算定基礎届は例年提出期間が短いため、あらかじめ賃金台帳などを準備し、記入・提出に備えましょう。

コロナ禍のときに算定基礎届の動画がYouTubeに公開された

令和3年度の算定基礎届(定時決定)事務講習会は、新型コロナウィルス感染症対策として、講習会の代わりに算定基礎届事務説明動画やガイドブックを公開されていました。


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