コラム・レポート

2015-10-07

法人と個人事業のどちらが社会保険はお得なのか?

動画(YouTube)&事務所通信

開業するにあたって、法人とするか個人事業で開業するか考えると思います。

社会保険の観点から考えた場合、法人と個人事業で、どんな点が異なるのかをご説明します。

このような事業で開業をご検討の方は、要チェックです!
・理髪店、美容室、エステティックサロン等の理容・美容の事業
・映画の製作又は映写、演劇、その他興業の事業
・旅館、料理店、飲食店等の接客娯楽の事業
・金融又は保険の事業
・物の保管又は賃貸の事業
・集金、案内又は広告の事業
・教育、研究または調査の事業

法人と個人事業のどちらが社会保険はお得なのか?

※フルタイム勤務の労働者を雇用したことを前提で解説しています。

社員を雇用すると保険に加入する必要がある

会社を設立し社員を雇用した場合、4種類の保険に加入する必要があります。

まずは社会保険と言われるグループです。社会保険の中には、「厚生年金」「健康保険」の2種類があります。

労働保険と言われるグループの中には「労災保険」「雇用保険」の2種類があります。

法人が加入する保険とは

法人の場合は、社会保険、(厚生年金、健康保険)労働保険(雇用保険、労災保険)の4種類すべてに加入するというルールがあります。
社会保険料の一部は会社が負担するので保険料の負担を考慮する必要があります。

個人事業が加入する保険とは

個人事業の場合は、従業員の人数によって加入の要否が変わります。

従業員が5人未満の個人事業所や、従業員が5人以上であってもサービス業の一部や農業漁業などの個人事業所に関しては強制的に加入する必要はありません。

個人事業であり、従業員が5人以下だが健康保険、厚生年金に加入したい場合は一定の条件を満たすと「任意適用事業所」として加入することが可能です。

労働保険とは

労働保険には、「労災保険」と「雇用保険」があります。

労災保険に関しては、基本的基本的に労働者を雇った場合は個人事業、法人の区分に関係なく加入する必要があります。

雇用保険についても同様です。フルタイム勤務の労働者が雇用されている事業所であれば「適用事業所」となり、雇用保険への加入が必要です。

ただし、雇用保険について、例外的に加入しなくてもよいという条件があります。

個人事業であり、農林水産業であり、5人未満の労働者を雇用している事業所は加入の義務はありません。

このような事業であっても、雇用保険に加入を希望するのであれば「暫定任意適用事業」ということで雇用保険に加入させることが可能です。

保険料負担を考えると、法人と個人事業のどちらが有利?

 

社会保険への加入という視点で考えると、労働者が5人未満の個人事業所の場合加入する必要はありません。

社会保険料の負担を考慮し、法人とするか、個人事業とするのか、ひとつの検討ポイントに挙げられます。

個人事業でかつ5人未満の場合は、社会保険に加入する必要はありませんが、社会保険への加入を希望する人から敬遠され、採用が難しくなる可能性があります。もちろん、個人事業であっても、会社が従業員5人以上に成長した場合、社会保険加入社会保険への加入に切り替える必要があります。

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