賃金デジタル払いの解禁
法改正 スタッフコラム2023年4月1日より「賃金のデジタル払い」が解禁となります。
賃金がデジタル払いできるとは、どういうこと?と思ったら、ご参考に読んでみてください。
◆賃金のデジタル払いで何ができる?
賃金のデジタル払い解禁により、
「厚生労働省が指定する資金移動業者の口座へ資金移動すること」
により、賃金の支払いとすることができます。
「資金移動業者の口座への資金移動」なので、他のデジタル資産による支払いが許されるということではありません。(暗号資産(仮想通貨)もダメです。)
◆なぜデジタル払いが可能となる?
賃金の支払いについては、労働基準法で定めがあります。
労働基準法では、賃金の支払いは原則「通貨払い」とされています。
例外として、①銀行口座と②証券総合口座への賃金支払が認められているというのがこれまでのルールでした。
今回、労働基準法施行規則の一部を改正する省令が施行されることにより、「厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者(指定資金移動業者)の口座への資金移動」が新たに認められることとなります。
この改正により、従業員の方への賃金の支払い方法の1つとして、賃金のデジタル払い(資金移動業者の口座への資金移動による賃金の支払い)ができるようになります。
◆デジタル払いをするには何をしたらいい?
賃金をデジタル払いにするには、労使協定の締結と個別に従業員の方の同意が必要となります。
◇労使協定の締結
・対象となる従業員の範囲
・対象となる賃金の範囲、その金額
・取扱金融機関、証券会社、資金移動業者の範囲
・実施開始時期
◇従業員の方の個別の同意
労使協定を締結したうえで、従業員の一人ひとりに書面又は電磁的記録による同意が必要です。
□記載すること
・賃金の範囲、その金額
・指定資金移動業者名、口座番号 (アカウントID)及び名義人、その他口座特定に必要な情報
・開始希望時期
・代替口座先の名称、口座番号
従業員の同意を得るほかには、賃金の支払い方法について就業規則や賃金規定に明示しなければなりません。
賃金のデジタル払いは、あくまで会社と従業員の双方が同意した場合のみ採用することができます。
会社が一方的に実施することはできません。
2023年4月1日に改正が施行され、そこから資金移動業者の登録申請が始まります。
審査に時間を要すると政府が発表していますので、実際に支払いが可能になるのはまだ少し先になりそうです。
賃金のデジタル払いについて、厚生労働省でリーフレットが公表されました。https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001065931.pdf
厚生労働省では、資金移動業者の指定要件やよくある質問のQ&Aも公表しています。
ご覧になってみてください。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00028.html
本記事は情報・記載内容は正確を期して提供し、誤りがないよう注意・確認の上、編集されていますが、不完全な記述や誤植が含まれる場合があります。
これらのコンテンツに記載された情報の完全性・正確性および利用結果について完全なる保証を与えるものではございませんので、ご利用は自己責任でお願いいたします。
なお、本記事において引用している行政機関等の発表内容に対するご質問は、発表元に直接お問い合わせ下さい。