「ほめる」と「みとめる」の違いを使い分けていますか?
スタッフコラム 求人&雇用&人材育成「人は”ほめて”育てる」ということは、誰もが知っています。しかし、「いざ実際に”ほめる”と、結構難しい」と思われる方は、たくさんいらっしゃると思います。ところで皆さんは、「ほめる」と「みとめる」の違いはご存じですか?
“ほめる”には自分の意見が含まれる
「ほめる」とは一般的に皆さんがイメージする、例えば
- 積極的に職場の環境を良くしているんだね!
- その水色のワイシャツ似合ってるね!
- ○○さん、その髪型、似合っているよ!
などです。
しかし、相手が素直に喜んでくれるとは限らないものです。なぜ、自分は良いことを言ったつもりなのに、相手に響かないのでしょうか?
実は「積極的であること」「似合っていること」「元気がいいこと」は、発信している側が勝手に思っていることです。
もしかしたら、相手は「職場の掃除の手を抜いているのがバレたのかな。。」「本当はピンク色が似合うのだけ、洗濯が間に合わず、しかたなく水色を着ているに。。」「今日は二日酔いで辛いのに。。」と思っているかもしれません。
「ほめる」は、発言者の評価や主観が入るので、相手が同じように思っているとは限りません。
”良かれ”とコメントしたことが嫌味になってしまったり、どのように伝えれば良いか迷っているうちに、相手に伝える機会を逃すということが起こってしまいます。
最悪なケースは「髪型が似合っている」と褒めて、相手との距離感を縮めたかったのに、相手からセクハラ!だなんて言われたら目も当てられません。
「相手がどう思っているか分からない」ので、「ほめる」ということは難しいのです。
“みとめる”を使いこなそう
相手のことが良くわからなかったり信頼関係が築けていないうちは、「ほめる」のは難しいものです。
しかし、そうは言っても部下と信頼関係を築いて、育てていかなければなりません。「ほめる」は一度諦めて、まずは「認める」に徹底していきましょう。例えば、こんな言い方です。
- コピー機の脇の書類を片付けてくれたんだね!
- 今日は青色のワイシャツなんだね!
- ○○さん、髪の毛切ったんだ!
先ほどの「ほめる」の内容と似ていますが、どこが違うのでしょうか?
そう、決定的に違うことは「事実を伝えているだけ」なのです。
「コピー機の脇の書類を片付けている」ことも、「相手が青色のワイシャツを着ている」ことも、「髪の毛を切った」ことも、誰が見ても否定できない客観的な事実だけを言っているのです。
青色のワイシャツを着ている人から、「いえいえ。このワイシャツは赤色ですよ!」と言われることは絶対にありません。
事実を伝えるだけで大丈夫?
「事実を伝えるだけで大丈夫?」と思われるかもしれませんが、大丈夫です。
部下に前向きなフィードバックをする目的は、部下との信頼関係を築くことであったり、部下の良いところを伸ばすことですので、事実を指摘するだけで十分です。
こちらの主観的な意見を伝えなくても、事実を伝え少し待ちましょう。
相手は必ず、「○○と思ったから、書類を片付けたんです。」「この青色のワイシャツは、4歳になる娘から初めてもらった父の日のプレゼントなんです。」と意図や意味を教えてくれるはずです。
会話をしているのですから、相手は必ず何かしら返してくれるはずです。
伝える側からすると、何か物足りない感じがするかもしれません。しかし、相手からすると「自分のことに興味を持ってくれた」「自分の思いを聞いてくれた」と思ってくれますので、信頼関係も築きやすいですし、指導もしやすくなります。また、相手発言から、相手のことも知ることもできますので「みとめる」の効果は抜群です。
まとめ
もし、「ほめる」が苦手でしたら、一度、部下や同僚の事実を指摘して「みとめる」を試してみてください。
もちろん部下だけではなく、お客様であっても同じです。営業の場面でも使える有用なテクニックですので、ぜひ実践してみてください。
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