【依頼前に確認したい】人事コンサルタントの実力を確認する7つのポイント
スタッフコラム会社で、評価制度や報酬制度といった人事制度を独力で作るのは大変なことです。
人事制度を作るときにはコンサルティング会社をはじめとする専門家に依頼することが多いのですが、専門家といっても、どうやって良い専門家を選べば良いのでしょうか?
今回は、専門家を選ぶときに気を付けておきたいポイントを紹介します。
人事制度を自分の言葉で語れるか?
当たり前のようなことですが、専門家を選ぶ際の最初の大切なポイントです。
専門家といってもキャリア20年を超える大ベテランから、専門家になってまだ日の浅い専門家もいます。
良い人事制度を作るためには、組織の文化や企業の実力、空気感も踏まえて組み上げていく独特な特徴を持っています。
教科書に書いているような言葉を語れるからと言って、良い人事制度を作れるとは限りません。
営業に来た専門家は経験談を交えて自分の言葉で人事制度について語れているかを見極めましょう。
ちなみに、営業に来ている専門家が合格点であっても要注意。
ベテランの専門家が営業に来たからと言って、制度つくりもベテランの専門家が担当するとは限りません。
自社の人事瀬制度設計は誰が担当するのかも、契約前にきちんと確認しておきましょう。
経営政策を語れるか?
人事制度は経営から従業員に伝えるメッセージになります。
また、経営方針を実現するために、どのように従業員に頑張ってもらうか決めたルールが人事制度ですので、経営方針と人事制度はつながっていなければなりません。
反対にいうと経営方針や経営政策が、きちんと人事制度に反映できることが、制度の出来栄えに影響を与えます。
あなたが依頼しようとする専門家が人事制度に詳しいからと言って安心してはいけません。
人事に限った専門家ではなく、経営方針や経営戦略についても語ることができる、専門家か確認しなければならないのです。
営業を受けているときに「当社の経営方針を人事制度に反映するには、どんな制度にすればよいと思いますか?」など確認していきましょう
労働法・社会保険関係の法律を知っているか?
人事制度の最低条件として労働法を順守していなければなりません。
人事制度を整備するためには労働基準法や労働契約法など主要な法律だけでなく、育児休業介護休業法、最低賃金法など、人事制度に関係する法律も踏まえて設計していくことが必要になります。
提案される人事制度の内容がどんなに魅力的であっても、労働基準法などの法律に違反していたら「絵に描いた餅」になってしまいます。
専門家として、労働法などについても理解していることも最低限の条件になります。
商談のときに
「労働基準法を順守しながら、総額人件費の下方硬直性を回避するためにどうすれば良いですか?」とか
「育児休業中の時短勤務の者は、いわゆるパートのような短時間労働者に含まれるのですか?」と聞いてみても構いませんし、「厚生年金と厚生年金基金って何が違うんですか?」といった、人事担当者として当たり前すぎて一瞬考えてしまうような質問をしてみましょう。
給与計算ができる制度を設計できるか?
人事制度を整備しようとすると、いろいろな要望を盛り込んでいきたい気持ちになりますが、複雑すぎる人事制度では日々の業務で運用できません。
日常の業務で運用できなければ、結局使えない人事制度になってしまいます。
あなたが依頼しようとする専門家は、給与計算の締日や支払日をはじめとする、給与計算の運用の視点を具体的に語れるか確認していきましょう。
例えば、「成果を早く社員に還元したいのですが、当月のインセンティブを当月の給与に反映するにはどうすれば良いですか?」給与計算を担当している社員が怒ってしまうような質問をわざと聞いてみて、こちらの無理な要望をきちんと制止してくれる専門家か確認してみましょう。
従業員や部下がいる専門家か?
人事制度は完成後は、給与計算のことを考えると少なくとも毎月運用するものになってきます。
また、人事評価も年に1回か半年に1回使うものです。忙しい日常の中で給与計算や人事評価をしていく、現場にとって「正直なところ面倒くさいイベント」ですので「手の抜きどころ」をどこに置くのかも人事制度を設計する際に考えておくべきポイントになります。
実力のある専門家なら、専門家自身も忙しい立場であるはずです。従業員や部下を使っている専門家であれば、理想の制度を提案するだけでなく、手間のかからないアイディアを出してくれるでしょう。
もし、出会った専門家が不幸にも知識に偏った専門家だった場合、「使い勝手」に考慮しない制度を提案されるかもしれませんので、「手の抜きどころ」や「専門家自身の評価業務の苦労話」についても聞いてみましょう。
自分の会社の人事制度を語れるか?
どんなに素晴らしい他社事例を語ってくれても安心してはいけません。
もし、従業員を雇っている専門家であれば、専門家の会社自身の人事制度は本当にどうなっているのか、きちんと語ってもらえるのか確認しましょう。
「餅は餅屋」なのですから、専門家の会社の人事制度が、どんな他社事例より理想と現実のバランスを取って作られているはずで一番参考になるはずです。
また、担当する専門家も人事のプロなのですから、自分の会社の人事制度について熱く語ってくれるはずです。
どんな設計思想なのか?どんな仕組みで運用されているのか?従業員の人事制度に対する意識や離職率はどうなのか?など、営業にやってきた専門家に根掘り葉掘り聞いてみましょう。
決断力はあるか?
人事制度を検討していくと、会社が抱える矛盾や、理想と現実のどちらを優先するのか決断を迫られる場面が出てきます。
そういった場合、自社の状況や思い入れが強い社内のメンバーだけでは決め切れないこともしばしば出てきます。
そういったときに専門家が決断を後押ししてくれると袋小路から抜け出せることもたくさんあります。
「どうしましょう?」や「仰ってくださったら、人事制度を作ります。」では、どうしようもなくなってしまうこともあります。
自分たちが決断に迷うときに、背中を押してくれるかどうか、専門家の決断力も見極めていきましょう。
もちろん、すべてを完璧にこなせる専門家が多くいる訳ではありません。
人事制度を整備するときに頼りになる専門家を選ぶときには、価格やきれいな資料、耳障りの良い言葉だけで決めるのではなく、本当に自分たちにフィットした専門家をしっかりと見極めていきたいですね。