ストレスによる精神障害と労災認定
■アイプラスからのご案内 労働相談&労働トラブル 求人&雇用&人材育成精神障害とは、仕事や私生活におけるストレスにより精神機能に障害が生じ、通常の日常生活が困難になっている状態のことをいいます。
精神障害を発病してしまった場合、発病した精神障害が労災として認定されるのはその発病の要因が仕事による強いストレスによるものと判断できる場合に限られます。
精神障害が労災認定される要件は以下の①~③となります。
①認定基準の対象となる精神障害を発病していること
②認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6カ月の間に業務による強い心理的負荷が認められること
③業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと
政府が定めている対象となる「精神および行動の障害」に該当する精神障害が発病する前の約6カ月以内に、仕事が原因となる心理的負荷が強いと評価された場合に、労災認定されます。
ただし、仕事を要因とするストレス(業務による心理的負荷)を受けていたとしても、私生活でのストレス(業務以外の心理的負荷)が強い場合や、個体側要因(アルコール依存や家庭の出来事など)が関係している場合は、発病の原因の判断は慎重になされることとなります。
労災認定の対象となる精神障害の内容や心的負荷の評価法等詳細は
厚生労働省の「精神障害の労災認定」をご覧ください。
(厚生労働省のページを開きます。)
◇◆労働災害の種類と具体的ケース◆◇
◇◆「労働災害」についての記事は こちらから ◆◇
厚生労働省が発表した2022年度の労災認定件数のうち、精神障害を理由とするものは710件ありました。
昨年よりも81件多く、統計以来過去最多となっています。
◆従業員の心の健康に違和感を感じたら…会社としてやるべきこと
従業員の心の健康に違和感を感じたら、業務上発生している具体的な問題点を把握するようにしましょう。
・突然遅刻や欠席等の勤怠不良が発生するようになった
・集中力や判断力が低下し、業務にかかる時間が長くなった
・書類に単純なミスが増えている
・他の従業員とトラブルが頻発するようになった
このように、実際に起こっている問題のことを「事例性」といいます。
対応する上で重要なキーワードに「事例性」「疾病性」があり、「疾病性」とは、「どんな病気か」「何が原因か」などを指します。
会社として求められることは、「事例性」の観点からの判断となります。
従業員の方が業務を遂行する上での具体的な問題点を把握します。
この事例性の観点から見て問題がある場合には、従業員の方と、業務遂行に当たって何か問題があるのか、サポートが必要かを確認してください。
そのうえで、専門医への受診を促し、雇用契約とおりに働けるよう対応を促すようにしましょう。
また、精神障害発病の原因には、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントといったハラスメントがあったケースも見受けられますが、ハラスメントをしている側の従業員には、その自覚がない場合もあります。
精神障害を発病してしまった従業員の方のケアはもちろんですが、原因がハラスメントにある場合は、ハラスメントの実態を会社として把握し、再発防止に努めることが大切です。
発生してしまったハラスメントへ対応するとともに、新たなハラスメントを発生させないために、ハラスメントに対する知識と指導スキルを従業員の方に見つけさせることも重要です。
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