Q. ジェンダーギャップやダイバーシティを考慮した賃金制度を構築したいのですが、どこから手をつければよいのか分かりません。


A. ジェンダーギャップやダイバーシティに対応する賃金制度の基本原則

ダイバーシティを重視する現代の企業経営において、性別や年齢、国籍に関わらず公平な賃金制度を構築することは、組織の信頼性を高めるだけでなく、優秀な人材を惹きつける大きな要素となります。ここでは、公平な賃金制度を構築するための基本原則と具体的なステップをご紹介します。


原則:ダイバーシティ対応の3つのポイント

  1. 透明性の確保
    給与や昇給の基準を明確にし、社員全員に共有します。不明瞭な基準は不信感を招き、公平性を損ないます。
  2. 成果と能力に基づく評価
    性別や年齢に関係なく、個人の成果やスキルを正当に評価する仕組みが必要です。感情や偏見に左右されない評価基準を設定します。
  3. インクルージョンを意識した設計
    全社員が平等な機会を得られる環境を整備し、多様な働き方や価値観を反映した賃金体系を導入します。

公平な賃金制度を構築する方法

  1. 職務評価制度の導入
    役割や職務内容に基づく評価基準を策定します。これにより、同一労働同一賃金の原則を具体的に実現できます。
  2. データ分析によるギャップの把握
    社員の給与データを分析し、性別や年齢によるギャップが存在していないかを確認します。もしギャップが見つかれば、その原因を特定し、改善策を講じます。
  3. 多様なインセンティブ制度の導入
    短時間勤務やリモートワークを選択する社員にも公正な評価が行われるよう、成果や貢献度に応じた柔軟なインセンティブ制度を導入します。

例えば、こんな賃金制度が考えられます

例えば、全社員に対して「職務評価スコア」に基づく基本給を設定し、性別や雇用形態に関係なく、公平な賃金体系を運用します。さらに、育児や介護といったライフイベントに応じて柔軟な働き方を選択した場合でも、成果を正当に評価する仕組みを導入することで、ダイバーシティを反映した公平性を保つことが可能です。


他社事例ではどうしているのか?

ある金融業界の大手企業では、社内の給与データを定期的に分析し、性別による賃金格差を是正する取り組みを実施しています。この結果、全社員が平等な評価を受けられる文化が浸透し、従業員満足度が向上しました。

また、IT企業では、育児中の社員が短時間勤務を選択しても、フルタイム勤務と同じ成果基準で評価される仕組みを採用。これにより、育児中の社員がキャリアを諦めることなく、組織に貢献できる環境を整えています。


ジェンダーギャップやダイバーシティ対応の賃金制度は、企業の競争力を高めるだけでなく、社員全員が安心して働ける職場環境の構築に直結します。透明性、公平性、インクルージョンを意識した制度設計を進め、全社員が成長できる基盤を整えましょう!

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