月の途中で入社や退社、昇給をしたときには、「日割り計算」をすることが多いと思います。
しかし、日割り計算というのは、1か月の歴日数で計算するのでしょうか?それとも、営業日数で計算するのでしょうか?
いずれの方法であっても、月によって金額が変わってしまいます。
今回は、月の日数に左右されない、日割り計算の方法をご紹介します。
月給の日割り計算の方法とは?
会社の従業員が月の途中で退職した際に、日割り計算で当月の給与を支払う事になります。
給与の「日割り計算」はどのように対処するのかについて説明させて頂きます。
「日割り計算」はどのようなものがあるのかというと、
- 月の暦日数で月給を割る
- 営業日で月給を割る
この2種類があります。しかし、これらの計算は簡単なのですが、色々なデメリットがあります。
歴日割りで計算すると、計算方法によって損得が発生してしまう
暦日数で割る場合は、月給28万円とすると、
- 2月の場合は (28万円÷28日=10,000円)となり、時間単価は1日1万円、というに計算になります。
- 一方で、1か月が31日ある1月の場合は(28万円÷31日=9,032.5円)となり、1万円以下の計算になります。
このように、退職した月によって給与金額が異なってしまう結果になります。
同様に、営業日で割った場合も、休みが多い月や出勤日数が多い月があるため、その月によって、給与が異なります。
歴日での計算方法は、月の途中で退職した際に必要な計算方法としてイメージされやすいですが、他にも、割増賃金を算出のための時間単価、つまり1時間の残業した場合にいくら支払えばいいのかという計算にも影響を与えます。
そのため、給与の日割り計算は、簡単なようで、考慮すべき点が多いということが注意するべきポイントです。
年間の所定労働時間を活用する日割り計算の流れ
1月が損をする、2月だと得をする、というように毎月毎に計算をすると手間がかかるため、これを簡略化する方法があります。
年間の労働時間からさかのぼって計算する。つまり、「所定労働時間で時間単価を計算する」という方法があります。
1年間の所定労働時間を計算する
1年は365日あるので、そこから年間の休日を引きます。
(休日が105日の場合は、365日-105日(年間休日)=260営業日)
次にこの260日に対して、1日の所定労働時間をかけます。
(260日×8時間=2,080時間)
この計算方法で、年間の所定労働時間は2,080時間あるということが分かります。
1か月の所定労働時間を計算する
1年間の所定労働時間が2,080時間と分かりましたので、12ヶ月で割ります。
(2080時間÷12ヶ月=173.333時間)
この会社の場合、1ヶ月の所定労働時間は173時間という計算になります。
時間単価を計算する
先ほどの、月給28万円の人の場合、28万円に所定労働時間の173時間を割り戻し時間単価を計算すると、
1618.4円(28万円÷173時間=1,618.4円)となります。
まとめ
時間単価を所定労働時間で割ると、1月のように日数が長い月や、2月のように日数が少ない月など、1か月の歴日数に関係無く、同じ数字173時間で月給を割るため、月により日割り給与が異なる状態を回避することが出来ます。
歴日で時間単価を計算していたら、毎月単価を計算しなおさなければなりませんので、事務手続きとしては煩雑になります。
今回ご紹介した、年間の所定労働時間から時間単価を計算する方法であれば、年に1回計算すれば月に関わらず計算単価は変わりませんので、事務手続きも簡便になります。
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