皆さんの会社では、どちらの従業員に高い給料を払うのでしょうか?
「ベテランを優先」とは、勤続年数ですか?年齢ですか?
ケース1:長幼の序を優先? or 勤続年数を優先?
「ベテラン」とは 何か?
「ベテランに手厚くしたい」と、お考えの企業はたくさんあると思います。でも、考えてみてください。 貴社の「ベテラン」とは、勤続年数の長い人のことでしょうか?それとも、年齢が高い人のことでしょうか?
- 年齢を優先した場合は、高校を卒業をして長く勤めてもらっている、子飼いの中間層の不満が高まるでしょう。
- 一方で、勤続年数を優先した場合は、長幼の序を崩すことになるでしょう。
中途採用の多い会社では発生する論点
新卒採用・年功序列が成立している人員構成の時には、あまり問題にならない論点です。 しかし、中途採用をする会社では、大きな論点ですし、どちらを優先するのか明確になっていないと、年長者の社員と勤続年数の長い中堅の社員から質問されたときに、答えに窮してしまいます。
肩書きは分かりますが、中身は見なくて良いの?
ケース2:肩書き優先? or 成果優先?
「 役職の高い人物方が給料が高い」これは、本当にそうなのでしょうか?
確かに、役職が高いと責任も大きく、それに応じた対価を支払われるのは当然です。 しかし、貴社の報酬制度は、「低い役職でも、役職に応じた成果をきちんと出している者」と、「高い役職にも関わらず、役職に見合った成果が出ていない者」の報酬差は妥当なのでしょうか?
成果に対する報酬額と、役職に対する報酬額のバランスが悪いと、優秀な若手社員はヤル気を失い、活躍の場を求め会社を去っていくリスクが高くなります。 皆さんの下積み時代にも、「肩書が立派だからって、仕事をしない上司の方が給料が良いなんて納得できない」なんて、飲み屋で不満をいっていませんでしたか?
「地道に努力」と言う割には「結果オーライ」優先?
ケース3:プロセス優先? or 結果優先?
皆さんの会社でも「努力をする者に報いたい。」と言われていると思います。しかし、同時に売上目標を掲げている会社が多いのも事実です。人間の心情として、華やかで目立つ成果に、ついつい目が行きがちです。
- 毎日靴底をすり減らして駆け回るが、受注につながらない社員に対して、「なんで数字が上がらないんだ!」と叱責をしていませんか?
- 一方で、運だけで大きな商談を決めた社員には、「すごいな!1億円の売上は、我が社初だよ!」と褒め称えていませんか?
靴底をすり減らす者が、努力せずに結果を出してしまった者が褒め称えられるシーンを見たら、「努力をするより、運で結果を出した方が認められる」と思ってしまいます。
そうなると、靴底をすり減らす者は、努力することに対してバカらしくなってしまいます。 彼/彼女は翌日からは、飛び込み営業なんてやめて、電話がかかってくることを待つようになってしまいます。
「運も実力のうち」と言いますが、貴社は、経緯と結果のどちらを優先されるのですか? この基準も決めておかないと、社員は「どのように頑張れば良いのか」分からなくなってしまいます。
「やれば出来る子」いつまで待つの?
ケース4:保有能力を優先? or 発揮能力を優先?
社内に、
- 「俺も本気を出せば、すぐに結果を出せる」 と言っている社員はいませんか?
- 一方で、「やたらと運が良い」という社員もいませんか?
会社にとって、「保有している能力にもとづき成果を出してくれる社員」が一番理想的ですが、すべての社員はそうとは限りません。
貴社では、「能力はあるが、能力を発揮してくれない社員」と、「能力はないが、不確実なラッキーでも結果を出す社員」を二者択一した場合、どちらに高い報酬を支払うのでしょうか?
「ケースバイケース」が一番良くない
もちろん、「ケースバイケース」と思われるかもしれません。 しかし、「自社に大切な人財はどちらか?」、「何を優先するのか?」を決めておかなければ、毎回現場からの質問が出てきて、都度判断をしなければなりません。 また、曖昧な基準のまま現場に一任してしまった場合は、お手盛りになってしまい、声の大きい社員の意見が優先されたり、頑張っても報われないという不満につながる恐れがあります。