コラム・レポート

2018-07-09

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が公布されました

法改正情報

平成30年7月6日付で「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が公布されました。

▼改正内容
https://www.mhlw.go.jp/content/000308289.pdf

▼条文
https://www.mhlw.go.jp/content/000307765.pdf

 

主な改正点

主な改正点は以下のとおりです。

 

労働時間に関する制度の見直し

 

【1】時間外労働の上限規制の導入

時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則になります。
臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)が限度になります。

ただし、施行が猶予・除外される業種もあるので注意が必要です。

自動車運転の業務 ・改正法施行5年後に時間外労働の上限規制を適用される予定です。
・上限時間は、年960時間とし、将来的な一般則の適用については引き続き検討されます。
建設事業 ・改正法施行5年後に一般則が適用される予定です。
・ただし、災害時における復旧・復興の事業については、1か月100時間未満・複数月平均80時間以内の要件は適用されません。
医師 ・改正法施行5年後に、時間外労働の上限規制を適用される予定です。
・具体的な上限時間等は省令で定めることとされています。
鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業 ・改正法施行5年間は、1か月100時間未満・複数月80時間以内の要件は適用されません。
(改正法施行5年後に、一般則が適用されます。)
新技術・新商品等の研究開発業務 時間外労働の上限規制は適用されません。
(医師の面接指導、代替休暇の付与等の健康確保措置を設けることが条件)
ただし、時間外労働が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととされます。

 

【2】中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し

月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置が廃止されます。

【3】一定日数の年次有給休暇の確実な取得

使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければなりません。

【4】労働時間の状況の把握の実効性確保

労働時間の状況を省令で定める方法により把握しなければならないこととされます。

 

多様で柔軟な働き方の実現

 

【1】フレックスタイム制の見直し

フレックスタイム制の「清算期間」の上限が1か月から3か月に延長されます。

【2】特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設

 職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、年間104日の休日を確実に取得させること等の健康確保措置を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とすることができるようになります。

また、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければなりません。

 

勤務間インターバル制度の普及促進

 

勤務間インターバル制度の普及促進

事業主は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めることが求められるようになります。

企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進

企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組を促進するため、企業全体を通じて一の労働時間等設定改善企業委員会の決議をもって、年次有給休暇の計画的付与等に係る労使協定に代えることができるようになります。

 

産業医・産業保健機能の強化

※産業医の選任義務のある労働者数50人以上の事業場が対象になる法改正です

・事業者は、衛生委員会に対し、産業医が行った労働者の健康管理等に関する勧告の内容等を報告しなければなりません。

・事業者は、産業医に対し産業保健業務を適切に行うために必要な情報を提供しなければならなりません。 

 

パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の改正

・短時間・有期雇用労働者に関する同一企業内における正規雇用労働者との不合理な待遇の禁止に関し、個々の待遇ごとに、当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化。

・有期雇用労働者について、正規雇用労働者と①職務内容、②職務内容・配置の変更範囲が同一である場合の均等待遇の確保が義務化となります。

・派遣労働者について、①派遣先の労働者との均等・均衡待遇、②一定の要件(同種業務の一般の労働者の平均的な賃金と同等以上の賃金であること等)を満たす労使協定による待遇のいずれかを確保することが義務化となります。

・短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明が義務化となります。

 

 

施行の時期はいつか?

法律は平成31年(2019年)4月1日に施行されますが、以下については異なるタイミングで施行されます。

公布の日に施行

  • 雇用対策法の一部改正

平成32年(2020年)4月1日に施行

  • 中小企業の事業主に対する、改正後の労働基準法36条の規程(時間外労働の上限規制)
  • 労働者派遣事業の適性な運営の確保および派遣労働者の保護等に関する法律の一部改正
  • 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部改正
  • 労働契約法の一部改正
  • 短時間・有期雇用労働者に対する不合理な待遇差の解消(大企業)

平成33年(2021年)4月1日に施行

  • 短時間・有期雇用労働者に対する不合理な待遇差の解消(中小企業)

平成35年(2023年)4月1日に施行

  • 中小事業主に対する1か月について60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率の適用

施行日から5年後に施行

  • 鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業の猶予

 

中小企業にとって、大きな影響のある内容

中小企業に大きな影響のある改正は、人員不足を各自の残業でカバーしている場合は、「時間外労働の上限規制」や「有給休暇の取得の義務化」のインパクトは大きいでしょうし、「月60時間を超える時間外労働の割増率の増加」も総額人件費に大きなインパクトを与えると考えられます。

ちなみに、中小事業主とは

「中小事業主(その資本金の額又は出資の総額が三億円小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については五千万円卸売業を主たる事業とする事業主については一億円)
以下である事業主及びその常時使用する労働者の数が三百人(小売業を主たる事業とする事業主については五十人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については百人)以下である事業主をいう。」とされています。

 

改正の影響を受ける法律はたくさんある

法改正にともない、改正される法律は以下のとおりになります。(意外とたくさんあります。)

  • 労働基準法
  • じん肺法
  • 雇用対策法
  • 労働安全衛生法
  • 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
  • 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法
  • 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
  • 労働契約法
  • 健康保険法
  • 職業安定法
  • 生活保護法
  • 出入国管理及び難民認定法
  • 駐留軍関係離職者等臨時措置法
  • 障害者の雇用の促進等に関する法律
  • 住民基本台帳法
  • 職業能力開発促進法
  • 農村地域への産業の導入の促進等に関する法律
  • 雇用保険法
  • 漁業経営の改善及び再建整備に関する特別措置法
  • 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法
  • 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法
  • 沖縄振興特別措置法
  • 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律
  • 地方公務員法
  • 厚生年金保険法
  • 社会保険労務士法
  • 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律
  • 建設労働者の雇用の改善等に関する法律
  • 港湾労働法
  • 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
  • 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
  • 地方公務員の育児休業等に関する法律
  • 独立行政法人通則法
  • 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律)
  • 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法
  • 厚生労働省設置法

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