コラム・レポート

2019-05-24

【#35 改正労働基準法に関するQ&Aが発表されました】

法改正 厚生労働省の公表情報 人事制度&賃金制度

引き続き、正労働基準法に関するQ&Aから時間外労働の上限規制関係についての質問内容と厚労省の回答をお伝えします。

2-40 (Q)労働者派遣事業における 36 協定について、派遣元が中小企業で、2019年4月1日以降に大企業にも中小企業にも労働者を派遣する場合、いずれの様式を用いればよいでしょうか。

(A)労働者派遣法第 44 条第2項前段の規定により、派遣中の派遣労働者の派遣就業に係る法第 36 条の規定は派遣先の使用者について適用され、同項後段の規定により、36 協定の締結・届出は派遣元の使用者が行うこととなっています(※1)。
このため、2019 年4月1日以後の期間のみを定める 36 協定については、派遣元において、派遣先の企業規模、業種及び業務内容に応じて様式を選択し、派遣先ごとに締結・届出を行うこととなります(※2)。したがって、ご質問の場合には、中小企業に労働者を派遣する場合は旧様式第9号、大企業に労働者を派遣する場合は新様式第9号(特別条項を設ける場合は新様式第9号の2)を用いることとなります(※3)。
なお、同一の労働者が大企業にも中小企業にも派遣される場合、法第36 条第6項(時間外・休日労働の合計で単月 100 時間未満、2~6か月平均 80 時間以内)の規定は、中小企業に上限規制が適用されるまで(2020年3月まで)の間は、大企業に派遣されている期間についてのみ適用されます(※4)。


※1 労働者派遣法第 44 条第2項
派遣中の労働者の派遣就業に関しては、派遣先の事業のみを、派遣中の労働者を使用する事業とみなして、労働基準法(略)第三十六条第一項及び第六項(略)の規定並びに当該規定に基づいて発する命令の規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。この場合において(略)同法第三十六条第一項中「当該事業場に」とあるのは「派遣元の使用者が、当該派遣元の事業の事業場に」と、「これを行政官庁に」とあるのは「及びこれを行政官庁に」とする。

※2 派遣元に使用される派遣労働者以外の労働者(派遣元で業務に従事する事務スタッフなど)については、派遣労働者とは別に、派遣元の企業規模によって様式を選択することとなり、ご質問のように中小企業である場合は旧様式第9号を用いることとなります。

※3 なお、御質問のように、上限規制の適用が分かれる複数の派遣先について、同じ日に 36 協定を締結するといった場合には、派遣先ごとに必要な事項が漏れなく記載されている限り、1つの 36 協定届の様式にまとめることも可能です(なお、それらの複数の派遣先について、必ずしも 36 協定の有効期間・対象期間が同一である必要はありません)。
また、派遣先が自社で締結した自社の労働者に係る 36 協定の対象期間と、派遣元で締結した派遣労働者に係る 36 協定の対象期間は必ずしも一致しません。このため、2019 年4月1日以降は、経過措置の対象であるか否か(適用される 36 協定が、2019 年3月 31 日を含む期間を定めるものであるか否か)によって、派遣先において、自社の労働者と派遣労働者で上限規制の適用の有無が異なる場合もあり得ます。


※4 例えば、平成 31 年4月、6~7月は大企業、同年5月は中小企業に派遣していた場合、同年4月、6月、7月の時間外・休日労働は単月 100 時間未満とし、この3か月の平均で 80 時間以内としなければなりません。

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